僕は、大学時代からサーフィンを始め、今も続けています。サーフィンは、自然が生み出す波に乗るだけの単純なものです。そんな単純なスポーツへの熱は、下がるどころか上昇の一途です。 サーフィンというスポーツの、最大の魅力は、相手が自然であることではないかと思います。少し大げさかもしれませんが、サーフィンをすると、とても「HAPPY」になれます。なぜ、そんなに魅力があるのか?なぜサーフィンをすると、「HAPPY」な気持ちになれるのかを、僕なりに考えてみました。なぜなら、この「HAPPY」を感じるということは、僕が建築(住まい)に求めるものと重なるからです。
サーフィンは、ただ単に波に乗ること。相手は自然。つまり、
僕 − サーフボード − 自然(波)
僕と自然の間に、サーフボードという人の手でつくられた物が存在することで「HAPPY」が生まれている訳です。
サーフボードは、波に乗れたら何でも良いということではありません。それこそ発祥当時は木の板という原始的なデザインから始まり、時代とともに改良され、サーフボードには様々な「デザイン」が生まれてきました。基本的なアウトラインは、波の大きさ、波質、乗り手の体重によってボードデザイン(長さ、巾、厚み、レールライン等)は違い、スタイル(波の乗り方)、好み(ファッション性)によって、クラシカルなデザインから最新なデザインまで変化していきます。
つまり「デザイン」というものは、「HAPPY」を感じるために必要な機能で、「サーフボード」は必要な道具になるわけです。
またサーフボードは、シェイパーといわれる職人が1本1本手作業により作り出しています。そこには、乗り手がサーフィンを楽しめるよう、作り手として様々な考え方が表現されています。
だから僕もボードは何本もほしくなるわけです・・・(涙)
いや、必要になるわけです!・・・(気合い)
次に建築(住まい)について考えたいと思います。
極端かもしれませんが、【狭くて暗く、風通しが悪く湿気が高く、周りの環境もこれまた最悪!な家】に住むとどうでしょう。おそらく家族は、最悪な気分で日々を過ごさなければなりませんね。反対に、【開放的(広いだけという意味ではありません。)で明るく、四季を通して光や風が安らぎを与え、周りの環境も自然や生活感を感じる最高な家】だとどうでしょう。家族は、きっと「HAPPY」な日々を過ごせるようになりますね!つまり、
人 − 建築(住まい) − 環境(自然)
人と環境(自然)の間を建築(住まい)が存在することで「HAPPY」が生まれる訳です。
もちろん建築(住まい)も、何でも良いということではなく「HAPPY」を生み出すためのデザインを創造していかなくてはいけません。建築(住まい)のデザイン(機能・機能美)は、人が「HAPPY」になるために必要なものということが大前提だと思います。
建築(住まい)は、まず土地が必要で、その土地が持つ環境(光、風、雰囲気など)によって建築デザイン(空間構成、形状)を創造します。そして素材や色、様々な要素をデザインしていきます。作り手としては建築を通して、「HAPPY」を生み出すための要素を考え、デザインし、その土地に建築(住まい)を存在させなければならないと考えています。
僕は、サーフィンというものを通し自然と関わりながら様々なことに気づかされました。人が建築(住まい)を通して「自然と関わる」ことにより「HAPPY」が充実したものになると感じています。そのためには、デザイン(機能・機能美)が、どうでもいいということは絶対になく、必要不可欠だと思います。
僕自身、まだまだ「自然との関わり」を探求し、デザイン(機能・機能美)を追求していかなければいけないと感じています。また、作り手として建築(住まい)に誠実に愛情持って関わっていきたいと思っています。
宮内 心 |